Webの仕事は、SNS活用やアクセス解析、Web広告、SEO対策、スマホ対応、オウンドメディア運営、動画…書いたらきりがないくらい求められる専門知識や情報が多岐に渡り、さらに進化しています。仕事をする時間に加えて、日々の情報収集→勉強→自分でテスト・実験→実務で実践、とやらなきゃいけないことがあり過ぎて気が遠くなることも。
コーディングだけ、デザインだけで勝負という職人タイプではないので、たくさんある課題から、自分がもっと深めたいことや実務で必要に迫られていることなどからピックアップして勉強をするようにしています。
この夏から冬にかけてはWebライティング関連の書籍を読みましたので、その中からおすすめの本を紹介します。
■Webで書くための本
ライターという職業でなくても、会社やお店のFacebookやブログを書かなければいけない人が増えています。
ただ書けば良いというわけでなく、検索(SEO対策)やターゲット(見込み客、潜在客)のことも意識しないといけないので、WebやSNS担当になったばかりの方、困っていませんか?
Webサイト・SNS・ネット通販担当初心者にはまずこの3冊を。
それぞれに読む人を意識して創られた良い書籍ですので、わかりやすいと思います。
◯沈黙のWebライティング
「沈黙のWebライティング」という超有名なWebコンテンツが書籍化されたものです。https://www.cpi.ad.jp/bourne-writing/
私を含めて女性は、このビジュアル苦手…という方も多いと思います。私も最初はこのサイト読むのをずいぶんためらいました。が、インパクトのあるビジュアルとストーリーでスラスラと読みやすく、SEO対策がわかりやすく解説されています。とくにオウンドメディア(自社の情報を発信して、ブランディングや集客につなげるためのWebサイトを運営すること)に携わっている方は必読です。
先月、著者の松尾茂起さんのWebライティングセミナーに行ってきました。なぜこのビジュアルにしたのかという話も聞いて「なるほど〜」と納得しました。
食わず嫌いせずに、ぜひ読んでみてください。
631ページあるので、持ち歩きはできません。Kindleの方が良いかもしれませんね。
◯SEOに強いWebライティング
成果を上げるためのポイント64個をまとめています。好きなところから読んでよいと書いています。忙しい方は助かりますね。
でも私としては、WebサイトやSEOの基本から書いてある最初から順番に読むことをおすすめします。
基本がわかっていないと、さらに深く知ろうとしたときにつまずきますので、初心者は最初から読んでみてください。
◯新しい文章力の教室
読んでから時間が経ってしまったので、はっきりと内容は覚えていませんが、伝えるための実用的な文章の書き方を構成から考えていく方法を教えてくれます。
Webはもちろん、社内の企画書や報告書、チラシなど形は違っていても、相手に伝えることを意識して書くことが文章の基本です。書くことが苦手な方は、まずこの本からスタートしてみては?
私がこの本を読んでメモしたのは、
- スピード感とは「文字あたりの情報量」
- 体言止めは読者ぬに負担を与える
- 良い文章とは「完読される文章」である
ということでした。ライティングの仕事もやっていますが、初心者向けの本を読むことでまた新しい発見や気づきがあります。
■番外編
Web向け以外でも初心者におすすめしたい本があります。
◯20歳の自分に受けさせたい文章講義
いい文章を書くということはどういうことなのか。
タイトルから、文章本の初心者・若者向けかと思わせますが、基礎的なことだけでなく、私のようにライティングの仕事をする人にも勉強になるノウハウもあって、ライターを目指す方にもおすすめです。
たくさんメモをしましたので、その中からいくつかピックアップ。
- 文章のリズムは「論理展開」によって決まる
- 論理破綻に気づくためのキーワードは「接続詞」
- われわれは「感情」を伝えたいからこそ、論理を使うのだ。「主観」を語るからこそ客観を保つのだ
- 自分の文章のなかに、「主張」「理由」「事実」の3つがあるか、しっかりと連動しているか、いつも意識する
- 「説得」せずに、「納得」させる
- 文章を図にして考える。キーワードを矢印でつないでいく。ポイントは随所に「なぜか?」を入れる
- 「いい文章」とは「読者の心を動かし、その行動までも動かすような文章」のことである
主に論理が大切だということを抜き出してみました。詳細は本を読んでみてください。
著者の古賀さんの文章が好きで、note→ https://note.mu/fumiken をよく読んでいます。
◯その文章、キケンです!
敬語の正しい使い方、句読点の打ち方、「が」と「は」の違い、謝罪文の書き方…ビジネス文書お悩みあるあるですよね?
サブタイトルが「部下の文章力を劇的に上げる79のポイント」。
ビジネスで使う文章の危機管理をテーマにした本です。
仕事でクライアントさんがつくった原稿をチェックして、印刷物やWebサイトに掲載しますが、丁寧にしようとするあまり、敬語を重ね過ぎて長くなり、わかりにくいことがあります。そんな時、自信を持ってクライアントさんに修正のアドバイスができるように、基本的なことを書籍や辞書で時々チェックしています。
部下への指導というより、自分に自信をつけるために一読してはいかがでしょうか。
◯毎日ことば
http://www.mainichi-kotoba.jp/
本ではないですが、毎日Facebookでチェックしている「毎日ことば」。
毎日新聞の校閲グループが、1日1語ずつ漢字のクイズを出しています。
実際に記事を校正して赤字を入れ、なぜ間違いなのかを解説している記事もとても勉強になります。
ドラマ「地味にスゴイ! 校閲ガール」でも話題になりましたが、校正の仕事は本当に大事です。
私も長い間、校正もしていますが、1回では絶対ダメ!
内容やボリュームによりますが、仕事の文章は印刷、Web問わず2〜3回のチェックを怠らないようにしています。
納期まで時間があれば、1〜2日寝かせて、再チェックしています。
Web向けは、情報が溢れすぎていて、何を信用してよいか迷います。
あまり情報を仕入れ過ぎると混乱するので、紹介した本やGoogleの理念やガイドラインを読んで実務に活かしてください。
Google が掲げる 10 の事実
https://www.google.co.jp/about/company/philosophy/
ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja
基本方針のところ、とくに下記についてクライアントさんに力を入れるようにお話ししています。
(引用)
・検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
・どうすれば自分のウェブサイトが独自性や、価値、魅力のあるサイトといえるようになるかを考えてみる。同分野の他のサイトとの差別化を図ります。
Google先生に媚びるだけではダメ。やはりユーザーファーストということですね。
※この記事は2016年12月に執筆しました。Webに関する情報は最新の書籍も参考にしてください。