家庭で購入決定権を持つのは多くの場合、女性です。
感情で片付けられてしまいがちな女性の購買心理ですが、女性への売り方ノウハウを経験をもとにわかりやすくまとめられています。
答え合わせみたいな感覚で読みました。仕事で女性向けサービスに携わる視点と、女性の一消費者としての視点の両面から。
「そのとおり。私も仕事で実践している」という部分が大半だったので、新しい発見がたくさんあったわけではないですが、言葉で表すことの難しい女性心理を、誰でもわかりやすい例えで表現されていて、納得する部分がかなりありました。
とくに、なるほどと思ったのは、女性の購買心理の本質を「シンデレラ」の物語に例えた部分。
女性にとっては、お城での生活は「目指すべきゴール」ではなく、「本来あるべき姿」です。だからこそ、女性には「本来の自分を取り戻すための魔法」として商品やサービスを提示するものが、「鉄板の方法」となります。「ないものを追い求める」のではなく、「もともと持っているものが目覚める」という、ちょっとしたニュアンスの違いで・・・(略)
この考察には意表を突かれました。「お城の暮らしが私の憧れ!」ではなく、「もともと私はお城にいるはずの人間なの!」というココロの奥。自分を含め、よく考えてみるとそうなのかもしれません。いくつになってもお姫様思考という女性は確かに多いです。
女性が購入決定に大きく関わっている商品(サービス)なのに、商品企画から営業、広告までほぼ全員男性ということが少なくないです。ぜひ男性に読んでもらって、女性の声をもっと聴いてほしいし、女性の気持ちも理解してほしいです。
仕事に役に立つだけでなくて、奥さんや娘さんが話していることが前よりは理解できるようになるかも(笑)
一般女性向け商品・サービスのマーケティング本は意外となかったかもしれません。「女性心理+セールスライティング+ちょっとだけデザイン」を組み合わせたマーケティング本として、よくまとまっています。
「ネットで」とタイトルにありますが、ネット・実店舗どちらも参考になると思います。